日本バスケの夜が明けた。国際バスケットボール連盟(FIBA)は30日(日本時間31日)、コートジボワールのアビジャンで理事会を開き、20年東京オリンピック(五輪)で男女とも日本に開催国枠を与えると発表した。男子は1976年モントリオール五輪以来44年ぶり7度目。女子は2大会連続5度目となる。東京五輪から採用される3人制でも、IOCの承認が得られるという条件つきで男女の出場が決まった。この決定を受け、日本人2人目のNBA選手、渡辺雄太(24=グリズリーズ)が意気込みを語った。
幾多の危機的状況を乗り越え、ついに日本の五輪出場が認められた。協会の内部問題や2リーグの並立などを理由に14年にFIBAから国際試合出場資格停止処分を受けてから約5年。21年ぶりの自力ワールドカップ(W杯)出場も決め、追い風が吹いていた中で正式決定だ。
渡辺 日本代表の東京五輪出場の決定を聞き、本当にうれしく思います。と同時に、僕自身もNBA選手として東京五輪の舞台に立てるよう、さらに米国で成長しなければいけないと思っております。
17年に始まったW杯1次予選はいきなり4連敗し、一時は予選敗退の崖っぷちに追い込まれた。それでも18年6月にBリーグでもMVPにも選ばれたファジーカスの日本国籍取得、八村塁の招集がかないオーストラリアを撃破。同年9月には渡辺も参戦し、軌道に乗った日本は渡辺、八村を欠く中でも連勝を続けた。
渡辺 一緒に戦った2戦を含めた2次予選まで、厳しい試合を戦って得たW杯出場でした。予選は一緒に戦えなかった試合が多いですが、気持ちではいつも日本代表のチームと一緒に戦っていました。
W杯と五輪では、米国含め各国がベストメンバーを組む可能性が高く、米国との対戦が決まっているW杯ではカリーやレブロン擁する「ドリームチーム」と対戦することが濃厚。日本も渡辺、八村ら海外組を中心に、日本バスケ史上最強メンバーで立ち向かう。
渡辺 W杯と東京五輪で日本代表チームに貢献するためにも、NBA選手としてさらに経験を積み、成長しないといけないという思いも強くなりました。世界の強豪を相手にスリーポイントやブロックを決める姿を日本のファンの皆さんや、お世話になった方々にお見せできるよう、さらに頑張ります。そして「NBA選手」としてさらに成長した姿をお見せ出来るよう、挑戦し続けていきます。
◆渡辺雄太(わたなべ・ゆうた)1994年(平6)10月13日、横浜市生まれ。尽誠学園高時代に全国高校選抜優勝大会で2年連続準優勝。14年9月に米ジョージワシントン大に進学し、全米大学体育協会(NCAA)1部では1年目から活躍。18年7月にNBAグリズリーズとツーウエー契約を結び、同年10月にNBAデビューした。現在まで11試合に出場。ガード、FWをこなせるオールラウンダー。家族は父英幸さん、母久美さん、姉夕貴さん。左利き。206センチ、93キロ。
◆20年東京五輪でのバスケットボール 5人制の男女、新種目の3人制の男女が4種目。5人制はさいたまスーパーアリーナ、3人制は青海アーバンスポーツパークで行われる。5人制は男子が36年ベルリン大会、女子は76年モントリオール大会から採用された。92年バルセロナ大会からNBA花形選手を集めた米国男子代表「ドリームチーム」が話題となっている。