国際水連が新設した競泳のチャンピオンズシリーズ(CS)第1戦(中国)に出場し、男子200メートル平泳ぎで2分9秒33の3位に終わった同種目の世界記録保持者・渡辺一平(22=トヨタ自動車)が29日、羽田空港に帰国した。

4月上旬の日本選手権では自身の持つ世界記録に0秒35差の2分7秒02という好タイムで優勝。世界選手権代表に内定した。今回はそのタイムから2秒以上遅れ「思い描いたものではないが、少しリフレッシュした期間もあったので」。それほど悲観はしていないが、2分7秒47優勝したライバルのチュプコフ(ロシア)には危機感を感じた。大会前に日本で一緒に練習をしたといい「正直びっくりしている。10日間の練習であのタイムを出せるとは。リオの時よりスタートも含め、ひとかきひとかきが、うまくなっている。100~150メートルの31秒台は驚異的すぎる」と語った。さらに分析は続き「最初の100メートルを1分3秒0と遅く入った後に、31秒台でカバーするのは自分にはできないので、他のところで補わなければいけない」と自身の課題も述べた。

今後は5月のCS第2戦(11~12日、ブダペスト)とジャパンオープン(30日開幕、東京・辰巳)に出場予定。「課題を持ってどちらかではしっかりと2分7秒台で泳ぎたい。その中で彼に勝てる要素を見つけたい」と巻き返しを図る

GW中に追い込んでいこうと考えていたという。「いい時に課題が見つかった。100メートルからテンポアップして、詰めさせないように練習したい」とプラスにとらえる。目標はあくまで7月の世界選手権(韓国)で金メダルを獲得して東京五輪内定をつかみ取ること。世界記録保持者ながら、挑戦者の立場でライバルの背中を追う。【松熊洋介】