柔道の18年世界ジュニア選手権女子48キロ級銀メダルで、5月のグランプリ・フフホト大会(中国)を減量失敗により棄権した芳田真(さな、18)が、5月28日付で全日本柔道連盟(全柔連)の強化指定選手から外れた。

4日、東京・講道館で行われた全柔連の理事会後、金野潤強化委員長(52)が取材に応じ「強化委員会で審議した結果、外すことに決めた。今回、芳田は(計量の)体重計に乗っていないが、総合的に見て計量失格と同等の判断とした」と説明した。

芳田は体調不調も重なり、大会前から減量に苦しんでいたという。現地での調整や風呂などで減量を試みたが、試合前日の計量日朝に49・7キロあって、棄権を決めた。金野氏は「日本代表である以上、体重管理は最低限のマナー。試合の勝ち負けは仕方ないが、体重管理して試合するのは選手の責任でもある」と指摘。その一方で、「高校卒業したばかりの成長期で、体調を崩したのだと思う。非常に良い選手なので、今後どのような階級でやるとかも考えて、再起してほしい」と期待を込めた。

全柔連の規定では、国際大会でけがを除く計量失敗などの過失で失格となった選手は強化指定から外れる。今回の芳田は失格ではなく、棄権だが、強化委員会が「計量失格と同等」と判断を下し、強化指定から外れた。

芳田は57キロ級世界女王の芳田司(つかさ、23=ともにコマツ)を姉に持つ、24年パリオリンピック(五輪)世代の期待の星。昨年11月の講道館杯では16年リオデジャネイロ五輪銅メダルの近藤亜美(24=三井住友海上)らを下して初制覇した。今春に滋賀・比叡山高を卒業し、姉と同じ実業団の強豪コマツに入社。姉の練習パートナーとして稽古に励んでいた。今後、強化指定選手に復活するには、全日本ジュニア選手権などで実績を積む必要があるという。