<テニス:ウィンブルドン選手権>◇6日◇ロンドン郊外オールイングランド・クラブ◇男子シングルス3回戦

【ウィンブルドン=吉松忠弘】世界7位の錦織圭(29=日清食品)が、大会自身初の失セット0で16強に進出だ。過去4戦全勝で、同71位のジョンソン(米国)に、6-4、6-3、6-2のストレート勝ち。次戦では2年連続8強入りをかけ過去9戦全勝で同58位のククシュキン(カザフスタン)と対戦する。

亜細亜大テニス部の堀内昌一総監督が錦織好調の原因を分析する。

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テニスのプレーは第1から第3までの3つの局面に分けられる。第1はサーブやリターン、第2はラリーで第3はネットプレーやパッシングショット、ロブなど得点に関わる局面だ。錦織の今大会の強さは第1局面の充実によるもので、ジョンソン戦でもそれが際立っていた。

第1サーブが75%の高確率で入り、その85%を得点に結びつけている。昨年までは第2サーブをたたかれて苦しむ場面が見られたが、完全に改善された。サービスキープに要したポイントは1ゲーム平均4・83。12ゲーム中ラブゲームが4つあり、ジョンソンにわずか10点しか与えなかった。

リターンもいい。この試合では序盤、足元をえぐるような深いボールを集めて3球目攻撃を封じた。逆に中盤以降は左右に散らしてウイナーを決めた。ジョンソンの強烈な第1サーブに対しても70本中23本を得点に結びつけた。

サーブ、リターンの第1局面、ファーストタッチの精度が高く安定していることが定評がある第2、3局面のプレーにも好影響を及ぼしている。ネットプレーが決まり、ラリーで打ち勝ち、ミスを誘う。錦織が素晴らしいテニスを展開している。(亜大教授、テニス部総監督)

◆WOWOW放送予定 8日午後6時55分から。9日午前1時から。ともにWOWOWライブ。男女シングルス4回戦ほか。生中継。