男子グレコローマンスタイル63キロ級で太田忍(25=ALSOK)が初優勝を飾った。リオデジャネイロ・オリンピック(五輪)銀メダリストにとって初の世界一。非五輪階級のため、今後は主戦の60キロか67キロで東京五輪での金メダルを狙う。五輪階級では日本勢3人は準々決勝まで進めず。67キロ級の高橋昭五(24)は3回戦、87キロ級の角雅人(25)は2回戦で敗退、97キロ級の奈良勇太(23)は敗者復活戦に回った。五輪階級は今大会の表彰台で東京五輪代表内定、5位で出場枠を獲得できる。

太田は手を広げ、全身で喝采を受け止めた。「気持ちいいねえ」。五輪、世界選手権など日本のトップとして国際大会に出場し続けるが、意外にも初の世界一。「非五輪だけど、世界王者の称号はあって損することはないでしょ」とマット場で涙も浮かべた。6月の全日本選手権で文田に敗れ、五輪戦線から1度は脱落。その敗戦後、報道陣から63キロ級出場の可能性を聞くとすぐ切り替えた。この日、67キロ級の高橋が出場枠を逃し、自力での五輪の芽が復活したが「自分の階級は60。優勝に近い。67は強い選手がいる」と分析。今日16日に出陣する文田に対し「金メダルを見せびらかしますよ」と冗談めかした。