Wリーグ、新潟BBラビッツは12日(新潟市鳥屋野総合体育館)、13日(アオーレ長岡)にJX-ENEOSと対戦する。

フォワード(F)井上愛主将(29)がWリーグ公式戦通算200試合出場にあと「2」と迫った。新潟一筋8年目の大黒柱が今季チーム初白星と、自身の記録達成のためにチームをまとめ、リーグ11連覇中の“絶対女王”に挑む。

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間近に迫った節目の記録を井上は純粋に喜ぶ。「1試合目も100試合目も200試合目も新潟の選手として迎えられる。こんなにうれしいことはない」。Wリーグのレギュラーシーズン、プレーオフを合わせた公式戦通算出場数は現在198試合。順調ならホームでのJX-ENEOS戦2戦目の13日に達成する。

もちろん記録が第1目標ではない。「相手もまだチームが固まっていないはず。混乱させたい」。狙うのは絶対女王からの白星。BBラビッツは開幕のアイシンAW戦で2連敗。その中で井上は1戦目で23得点と力を発揮した。「みんな、やらなければ、という気持ちが強すぎた。チームとしてやるべきことをやる」。全員の結束を促してこの1週間を過ごしてきた。

新潟一筋で8年目。今季は昨季までの外角のポジションではなく、新人年に務めたインサイドでの起用が多い。「自分らしくプレーできる」。リバウンドに飛び込み、混戦で1歩も引かずにシュート。戦う姿勢でチームを引っ張る。食事はタンパク質を多く摂取。貧血気味の体質改善へグルテンを控え、米を中心にする。膝、腰と負傷が重なる部分は自宅でも治療器でケア。200試合の大台は普段の準備の成果でもある。

ラグビーW杯で快進撃を続ける日本代表に感動する。「戦う気持ちが大切」と勇気をもらった。「捨ててもいい試合は1つもない。相手がどこであっても、勝ちに行く」。勝利への強い思いをあらわにした。【斎藤慎一郎】