東京都の小池百合子知事が、オリンピック(五輪)マラソン・競歩の会場変更問題で「北方領土でやったらどうか」と発言したことに対し、批判の声があがっている。

小池氏は17日、五輪マラソン・競歩について東京から札幌への会場変更が決定的になったことを受けて「かなり唐突な話」と、不快感を示した。小池氏が今回の計画を知ったのは16日。開催都市にもかかわらず、蚊帳の外に置かれ、都内の会合では「涼しいところというなら、北方領土でやったらどうか」と、八つ当たり的な発言も飛び出した。

小池氏の発言に対し、前都知事の舛添要一氏はツイッターで「五輪は政治でもある。しかし、開催地のトップが政治を表に出すのは厳禁だ。首相や元首相といかに不仲でも、スポーツの話にプーチン大統領や北方領土を持ち出すべきではない。IOCや国や組織委とのこれまでの自らの対話不足こそを反省すべきである。だから一人のけ者にされるのだ。東京五輪は大丈夫か?」と苦言を呈した。

立憲民主党の蓮舫副代表(51)も「都知事。こんな嫌みを言うのであれば、なぜ東京でマラソン、競歩ができないのかを考えないと」とくぎを刺し、「IOCの判断は確かに唐突だし、予算負担も相当です」と一定の理解を示した上で、「でも、アスリートのことを考えると、他の競技は東京で実施していいのかと思えます。万全の対策で備えないといけません」と述べた。

また、国際政治学者の三浦瑠麗氏は「政治家としての1番悪いところが出ている発言だと思う。平和や領土返還のために黙って尽力するならともかく。ちゃぶ台返しに怒るのはわからないでもないが、それ豊洲問題でやったでしょう、というのも頭をよぎる」とツイート。元衆院議員でタレントに転身した上西小百合(36)は「感情で政治をするダメな典型例。北方領土で開催できるわけないのに、北方領土を言葉遊びに使わないで。返還を心から望んでいる国民がいることを元自民党国会議員だったらわかるはず」と非難した。