全国高校選抜レスリング東海大会が16日、大府市民体育館(愛知)で開幕する。

学校対抗戦県王者の飛龍は、4年ぶりの全国舞台を目指す。個人、学校対抗戦ともに3位までが、全国大会の出場権を得る。

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晴れの舞台へ返り咲く。飛龍は全国選抜の学校対抗戦に過去16度出場。優勝を1度、準優勝も3度達成し、輝かしい実績を誇る。だが、昨年は東海大会の初戦で敗退。3年連続で全国切符を逃し、今年に懸ける思いは強い。

先月の県大会は、圧倒的な強さで2年連続20度目の優勝を飾った。個人戦でも8階級中5階級で優勝者を排出し、陣容は充実している。就任34年目の井村陽三監督(56)は「絶対的な核は不在だが、経験のある選手が多い」と評価した。

65キロ級の有馬鉄太(2年)は、今月8日の練習後に主将に任命された。「自分の姿勢で引っ張る。大舞台で勝てるチームを作りたい」と宣言。副将を命じられた60キロ級の豊田峻真(2年)は「全国大会で結果を残す。2年生が中心になって、全員で上達したい」。ともに1年時からメンバー入りしている2人が、強い覚悟をにじませた。

東海大会では、3位決定戦を行わないため、準決勝に進出すれば全国大会の出場権を獲得する。有馬は「東海大会は優勝して突破し、全国の表彰台に立ちたい」。前回全国大会へ出場した、4年前は3位。その再現を狙う。【古地真隆】

○…71キロ級の中村啓人(2年)は、現在の部員の中で唯一、高校からレスリングを始めた。中学時代は柔道部。中3の体験入学で関心を持ち、入部を決めた。当初はスパーリングでも、一方的に敗れることが多かった。だが、徐々に持ち味の身体能力の高さに経験が加わり、才能が開花。学校対抗戦のメンバー入りを果たした。東海大会に向けて「腕を差したら必ず投げる。自分のスタイルを貫きたい」と力を込めた。