全国高校バスケットボール選手権(日刊スポーツ新聞社主催)が23日、東京・調布と八王子の2会場で開幕する。男子は5年ぶり6度目の進出を果たした藤枝明誠が、1回戦で松山工(愛媛)と対戦。岩下恵達(けいたつ)主将(3年)と菊地広人(3年)の2トップで突破をはかる。女子は4年連続5度目の出場となる浜松開誠館が、作新学院(栃木)との初戦に臨む。3点シューターの黒川菜津奈(なづな、2年)が、松岡木乃美(このみ)主将(3年)とチームをけん引する。【倉橋徹也】

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シューティングガードの黒川が、チーム1番の成功率で3点シュートを量産する。県準決勝では4本を成功。決勝でも2本決め、その役割を果たした。全国はマークがきつくなるが、「周りにスクリーンをかけてもらい、狙えるところは打っていく」と強気だ。パスを受けてからすぐ打つ素早いプレーも意識するなど、対策に抜かりはない。

練習は試合をイメージしつつ7割以上の確率で入れることを心がける。肩をしっかり上げるよう、練習前のストレッチに気をつかい、自宅では筋トレに励む。パワーフォワードの松岡主将は「(黒川が決めると)流れがチームに向きやすい。自分たちのモチベーションにもなるので、3点以外も含め頼りにしている」。

松岡自身も得点源の1人で負けてはいられない。「フリーの瞬間は3点を狙う」と続け、ドライブでの攻め込み練習にも余念がない。プレーの質を高める修正を行ってきた三島正敬監督(44)は「1つのミスが致命傷になるのが全国レベル」と気を引き締めた。その向上には手ごたえを感じ、「自分たちのやるべきバスケを最後まで続けてほしい」と、2人をはじめ選手らの躍動に期待を寄せた。