全国高校バスケットボール選手権(ウインター杯、23日開幕=東京)に女子の開志国際が6年連続で臨む。学校創立の14年から連続出場を途切らせたことのない実力校だ。1年生から先発で司令塔役を果たしてきた主将のPG木村真唯(3年)が高校最後の全国大会に挑む。23日の初戦1回戦の相手は松江商(島根)。3回戦に進めば目標にしてきた桜花学園(愛知=全国総体優勝)との対戦が実現しそうだ。

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ボールを持つとPG木村は顔を上げる。「遠くを見ると、近くも見える」。コート全体を見渡してパスかドリブルかを判断する。チーム戦術を実行するのが、ゲームをコントロールするPGの役目。小粒なチームの持ち味はリバウンドからの速攻だ。

「運動神経と身体能力はそんなに高くない。だけど、頭を使うプレーはコートで通用する」。そう話した木村は1年の春からPGを担ってきた。伊藤翔太監督(31)は「試合が始まればコート上の問題は自分たちで解決しなければならない。こちらの意図を判断できるのが木村。信頼できる」と言う。

昨年のウインター杯は2回戦止まり。敗退後に現チームが決めた目標は「打倒桜花」だった。「(高校)日本一」の最終目的に到達するために越えなくてはならない相手が、今年の全国総体覇者になった桜花学園(愛知)。高さのないチームが強敵に勝つための方策が速攻の切れを磨くことだった。「3回戦に進めば、戦えるチャンスができた。そこで桜花(学園)を倒して、日本一になりたい」と速攻の起点になる木村は話した。体育館の壁には「打倒桜花」というスローガンが張り出されいる。

タイプの違うPG小野寺佑奈(3年)をコートに出して、リズムに変化を加える場面もある。ゴール下に切り込み得点を積み上げる小野寺とのダブルガードを敷いて、ディフェンスにマークを絞らせない戦術も採用している。木村は「周りを生かして、自分も生きたい」と高校最後のコートに意気込む。【涌井幹雄】

◆木村真唯(きむら・まゆ)2001年(平13)11月3日生まれ、福岡県出身。北九州・折尾中出身。中学時代は全中ベスト8。ポジションはポイントガード(PG)。昨年のウインター杯は2試合に先発、出場56分50秒、計14得点。159センチ、54キロ・血液型A。