女子の郡山商(福島)が3年連続初戦突破し、目標の16強に向けて好発進した。2年生中心の若きチームは、第3Qで四日市商(三重)を逆転。61-50で振り切った。昨年も全国舞台を経験した須釜心(2年)がチーム最多20得点と躍動し、勝利の立役者になった。

2年生エースが奮闘した。第3Q残り約6分、38-38の場面。一進一退の攻防が続く中、須釜が相手にファウルを受けながらシュートを決めて逆転した。さらにバスケットカウントで1点追加。3点プレーで勢いをもたらし、同Qで22点を奪う原動力になった。「前半は感覚をつかむために空いたら打つ意識で、どんどんトライし、ミスしても前向きでした。それでも去年の1回戦に続き、3ポイントが1本も入らなかったので、個人的には納得していません」と反省した。

10月末の県大会決勝後にシュートが入らないスランプに陥った。「辞めたい、辞めたい」と本大会直前まで苦しんだが、力を抜き、打つことを心掛けると確率が上がり、初戦で最多得点を記録。チーム目標へは2勝が必要だが、「3年生が少ないのを弱みに感じず、2年生の勢いで臨みたいです」と力を込めた。

スタメンから外れた神尾美空主将(3年)は登下校が一緒で、悩み相談をしてくれる存在だ。ほかの先輩からも「思い切りやって。頼んだよ」とLINEをもらうなど、3年生の思いを背負ってコートに立っている。松本理コーチ(44)は「若いチームなので試合を通して成長してくれれば」と話す。完全復活した2年生エースが、チームを16強へ先導する。【山田愛斗】