1月のフィギュアスケート冬季ユース五輪金メダリスト、鍵山優真(16=神奈川・星槎国際高横浜)が首位発進した。

課題のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を決めるなど、ジュニアのSP自己ベストとなる85・82点。6日(日本時間7日)のフリーで日本人6人目の頂点を目指す。2位はユース五輪銀のアンドレイ・モザレフ(ロシア)で84・31点。昨年のジュニアグランプリ(GP)ファイナルを制した佐藤駿(16=埼玉栄高)も自己ベスト。79・30点の5位から逆転を狙う。

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やはり同世代では別格だった。シニアの全日本選手権、4大陸選手権ともに3位の鍵山がライバルを圧倒。冒頭の3回転ループを降り、3回転半では出来栄え点(GOE)3・09点を美しく稼いだ。連続ジャンプの3回転ルッツこそエッジ不明瞭の判定だったが、出場34選手でトップの技術点46・93点をマークした。「今季最後となるプログラムを、いい結果で滑り切れて良かった」。出遅れることが多く「課題」だったSPで首位に立った。

3日前の1日に現地へ入り「練習から自信を持って跳べていた」と、同じく「課題」の3回転半に成功。あとは得意のスケーティングだ。スピンもすべて最高のレベル4。演技構成点38・89点もトップの完全発進だった。ライバルで親友の佐藤と大会前から連絡を取って健闘を誓い合い、会場や宿舎でも「駿と『一緒に頑張ろう』と話していた。日本代表の重圧や緊張もある中、お互い良い演技ができた」と競争を力にした。

昨年12月のジュニアGPファイナルは4位も、今年1月のユース五輪で金。何より自信になったのは格上との真剣勝負だった。シニアの主要国際大会デビューとなった4大陸選手権で羽生結弦らに次ぐ3位。「得たものは多かった」と苦手のSPで動じなくなり「堂々と演技できる」と話していた通りの結果を出した。

SPの自己ベストに気を良くし、4回転トーループ2本を跳ぶフリーへ。こちらは得意だが「巻き返されることは十分ある。気は抜けない」と引き締めた。大会後はシニア転向の予定。ジュニア有終の美を、日本男子では羽生や宇野昌磨ら以来6人目の頂点で飾る。