日本ホッケー協会と東京モノレール株式会社が7日、来年に延期された東京オリンピック(五輪)の競技会場の大井ホッケー競技場で「オフィシャル社会共創パートナー」契約を締結した。会場から徒歩8分の最寄り駅が東京モノレールの「大井競馬場前」駅のため、この沿線一帯を「ホッケーの聖地」として広くアピールするため、協力して盛り上げていく。

同駅では駅舎外部に日本ホッケー協会のロゴマークを設置し、駅舎内の展示コーナーで日本代表のユニホームや用具、ポスターなどを展示する。東京モノレールの伊藤悦郎社長は「オリンピックで新しい競技場ができた。選手には活躍してホッケーを盛り上げてほしい。駅も55年を迎えた今年、リニューアルした。試合を楽しんだ観客に、駅の展示を見て余韻に浸りながらお帰りいただけたら」と期待を込めた。これに日本ホッケー協会の中曽根弘文会長も「応援していただけるのはありがたい。協会も全力で選手強化して、メダルを取れるように頑張りたい」と応えた。

これまでホッケーはマイナー競技と言われてきたが、来年の東京五輪で一躍メジャーになる可能性を秘めている。18年のジャカルタ・アジア大会では男女アベックで金メダルを獲得。特に「さくらジャパン」の愛称で親しまれている女子日本代表は、17年にオーストラリア出身のアンソニー・ファリー監督が就任して以来、世界トップレベルの強豪国と互角の試合をするなど急成長。昨年7月の強化試合ではリオデジャネイロ五輪覇者の英国に勝利を収め、世界ランク1位オランダには惜敗も2-3と大健闘した。5大会連続出場となる東京五輪ではメダル獲得が期待されている。

前回大会まではマイナー競技ゆえにスポンサー集めに苦労し、遠征費の一部負担もあったが、昨年6月には東京・立川市で不動産開発事業を手掛ける立飛ホールディングスと新たなゴールドパートナー契約を締結するなど、周囲のサポート体制も充実してきた。代表選手たちの合言葉も「東京五輪で金メダル」と力強さを増している。

コロナ禍で五輪開催が1年延期され、選手たちは一時練習もできなかったが、今回の東京モノレールとの契約で心を前向きできたようだった。女子日本代表候補の及川栞は「駅に大きな展示をしてもらえることで、ホッケーという競技を広く知ってもらえる。もう1度、この会場でしっかりと戦いたい」。同代表候補の狐塚美樹も「オリンピックで金メダルを取りたいという思いしかない。もう1度頑張っていきたい」と気合を入れなおしていた。【首藤正徳】