レッドブル・ホンダはマックス・フェルスタッペンが、ポールポジションを獲得したメルセデスAMGのルイス・ハミルトンから0・365秒差の3位につけた。

これまでで最もギャップが小さく、マシンの仕上がりも上々。フェルスタッペンはシミュレーションに基づいて持ち込んだセットアップの良さが好調のカギだったと話した。

「予選でメルセデスAMGと戦えるとは思っていなかったけど、今週末の僕らはマシンパッケージの力を最大限に引き出すことができていると思う。金曜の走り始めからマシンバランスが良かったし、ウイングレベルも適切だった。そういうことが今週末の好調ぶりの理由だと思う」

多くのチームが高速コーナーに合わせて大きなウイングを付けてダウンフォースを確保する中、レッドブルはやや控えめなウイングを付けた。コーナーよりもストレートを重視するセットアップが功を奏したという。

「僕らはずっとセクター3が速いけど、セクター3は実質的にコーナーが2つしかない。ターン12とターン15だ。つまり僕らのクルマはストレートスピードがそんなに悪くないということで、実際に僕らは他車に比べると少し低いウイングレベルで走っていると思う。それが僕らにとってアドバンテージになっているんだ。それでも僕らはマシンを安定させることができている。トップスピードがかなり速いから、決勝でのオーバーテイクという意味でもとても良いと思う」

一方のアルファタウリ・ホンダはフリー走行でピエール・ガスリーが上位に顔を見せる好調ぶりを見せていたが、予選直前のセットアップ変更が大失敗となりマシン挙動が大きく悪化。まさかのQ1敗退16位となってしまった。

ガスリーはパワーユニットの約163馬力に及ぶディプロイメント(ハイブリッドのアシスト)が残り300mで切れたと訴えたが、実際にはそれほど大きなロスではなく、実際には車体の影響が大きかったようだとホンダの田辺豊治テクニカルディレクターは説明した。

「アルファタウリの2台は特にガスリーの方は金曜からかなり良い感じでクルマが仕上がってきていたんですが、予選になって急にクルマが良くなくなってしまいました。(ディプロイメントが切れた時間は)実際にはそんなレベルではなくミリセカンド(1000分の何秒)の世界なんですが、ドライバーにしてみれば1秒にも2秒にも10秒にも感じたと思います。マシン挙動が変わりスロットルの踏み方が変わったせいでパワーユニットのエネルギーマネジメントもバランスが崩れてこういう結果になりましたが、もし切れないくらい余裕を持っていたとしたらそれだけ無駄に余らせていたことになりますから」

決勝はレッドブル・ホンダ2台が2列目グリッドから、アルファタウリ・ホンダの2台は11位と16位からスタート、4台完走・4台入賞を目指す。

(米家峰起通信員)