古豪北野の夢は、初戦で砕け散った。春の近畿王者、東海大大阪仰星のアタックを最後まで防げないままの大敗に、橋爪宏和監督(56)は「力の差があるのはわかっていること。ただ、場面、場面でもう少しファイトできたら…」と残念がった。

旧制大阪1中で、大阪屈指の進学校。一方、ラグビーも今回100回目を数える全国高校ラグビー大会で、戦前の42年大会優勝(同年は関西、九州で分離開催)など、大阪代表6度を誇る古豪だ。しかし、花園は橋下徹元大阪府知事らがメンバーで16強入りした87年度大会が最後。近年は部員不足で一時は他校との合同チームでしか予選出場できない時期もあった。それを乗り越え、18年度から何とか15人以上をそろえて単独チームに復帰した。

今大会に臨んだ部員は3年7人、2年7人、1年10人で、中学までのラグビー経験者は3人だけ。今春入部した橋下氏の三男環(たまき、1年)らは未経験者だ。橋爪監督は「実は『オマエら、160点取られるぞ』と言ってまして。2~3分で(トライを)1本ずついかれたら、ね。そこを5分で1本に抑えてくれたら、94点で、と思ったんですが…」と苦笑いした。

花園への壁はとてつもなく厚いが、まずは単独出場を維持したい。新チームは3年が抜けて17人。住吉との1回戦が不戦勝で実現した東海大大阪仰星戦を財産にする。

橋爪監督は「またギリギリになりますが、仰星さんとできたなんてありがたいこと。1、2年がもう少し上のレベルを目指すきっかけになれば」と話した。