立命大が、5季ぶりの甲子園ボウル出場に王手をかけた。昨季リーグ戦で白星を献上した関大に24-14で逆転勝ち。新型コロナウイルスの影響でトーナメントの一発勝負になった今季、決勝戦(28日、大阪・万博記念競技場)で宿敵関学大との対戦が決まった。昨季、関学大とはリーグ戦で勝利も、西日本代表校決定戦で敗れ甲子園への道が途絶えた因縁がある。雪辱の舞台が整った。

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悪い流れを断ち切ったのは、途中出場のQB野沢研(3年)だった。先発を1年生の庭山に譲り、先制を許した第2クオーター(Q)からピッチへ。出場した直後から勢いが変わった。ショートパスでつなぎ前進。同8分45秒、敵陣エンドゾーン前5ヤードから、前に駆け上がるレシーバーにピンポイントでパスを投じTDを奪った。

昨年のリーグ戦で14-17と敗れた関大に雪辱し野沢は「負けて落としたら終わり。そういう気持ちでプレーした」と淡々と話した。

決勝は関学大。昨年のリーグ戦(11月10日)は18-7で勝利しながら、甲子園ボウル出場をかけた西日本代表校決定戦(12月1日)で10-21と敗れた。最後に甲子園の地を踏んだのが5年前。幾度となく因縁の相手に阻まれてきた。

野沢にとって、関学大のQB奥野は高校時代からしのぎを削ったライバル。関学高の奥野に対し、東京・佼成学園でプレーしていた野沢。当時から意識する存在で「ミスした方が負けると思います」と宿敵との決戦を見据えた。古橋由一郎監督(55)も「関学大はチームの仕上がりが素晴らしい。全力でやり切るしかない」。5季ぶりの甲子園へ、勝利だけを目指す。【南谷竜則】