オープン参加の日本代表(乾、吉田、福村、安永、塚本、京極、木島、柳沢)が、チームTRで五輪演技の「空手2020」を初披露した。昨年7月の世界選手権韓国大会以来1年4カ月ぶりの試合で92・1305点。蹴り、突き、一礼をちりばめた。00年シドニー五輪銀の「空手」を20年ぶりにリニューアル。ロシア、中国、ウクライナに次ぐ「世界4位」の序列から逆転メダルへ、再始動した。

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1年4カ月の情熱をぶつけた。整然と並ぶ8人が気合とともに突きを繰り出す。最初のリフトは昨夏世界選手権後、ジャンパーに抜てきされた柳沢。高く上がって、ズバッと跳び蹴り。AS界の主流となった細かく速い動きの連続。乾は「今回は無観客だけど、人前で演技することが好き。それをあらためて感じた」。

今春の五輪延期から練習だけを続けてきた。井村ヘッドコーチは「不確定な情報に一喜一憂しない。水泳の情報は私が一番にあなたたちに伝える」と選手1人1人と丁寧に向き合った。

日本の特長は空を突き刺すような足技。20年ぶりの「空手」が、日本の良さを際立たせる。それでも井村HCは「隊形が広すぎた。水の中でソーシャルディスタンスはとらんでいい。集団での強さが出るように」と注文もつけた。1年4カ月ぶりに感じた演技の喜びがメダルへの原動力だ。

○…日本水連は五輪延期もあって7月31日付で代表選考方法を改訂している。代表候補8人に加え、8月から補欠選手2人が合宿に参加した。井村HCは「五輪前に8人プラス(補欠)1人になります。切磋琢磨(せっさたくま)するにはいいと思う」と説明した。