フィギュアスケート全日本選手権(12月24~27日、長野・ビッグハット)のエントリー選手が25日、日本スケート連盟(JSF)から発表され、男子でシード権を持つ羽生結弦(25=ANA)が全30人の中に名を連ねた。出場判断は今後、慎重に行う方針という。状況は流動的ながらエントリーはしたことで、冬季オリンピック(五輪)2連覇の第一人者が、今季初戦を迎える可能性がゼロではなくなった。

新型コロナウイルス感染拡大を受け、8月には今季のグランプリ(GP)シリーズ欠場を表明していた。その際、自ら気管支ぜんそくであることに改めて触れ「慎重に行動を検討する必要性があると思っております」「このコロナ禍の中、私が動くことによって、多くの人が移動し集まる可能性があり、その結果として感染リスクが高まる可能性もあります」「世界での感染者数の増加ペースが衰えておらず、その感染拡大のきっかけになってはいけないと考え、私が自粛し、感染拡大の予防に努めるとなれば、感染拡大防止の活動の1つになりえると考えております」などと理由を説明していた。

今月のシリーズ最終戦NHK杯(27~29日、大阪・東和薬品RACTABドーム)までは出場しないことが決まっており、その後の動向が注目されていた。出場すれば、主要国際タイトル6冠「スーパースラム」を達成した今年2月の4大陸選手権(ソウル)以来10カ月ぶりの実戦となる。

全日本選手権は、来年3月の世界選手権(ストックホルム)代表選考会を兼ねている。その世界選手権には22年北京五輪の枠取りが懸かっている。【木下淳】