ノルディックスキー・ジャンプ男子の葛西紀明(48=土屋ホーム)が11日、名寄ピヤシリシャンツェ(ヒルサイズ=HS100メートル)で冬季国内開幕戦となる名寄ピヤシリ大会の前日練習に参加した。今月末からW杯の下部大会コンチネンタル杯(C杯)出場のため海外へ遠征する。出場するのは27、28日のスイス・エンゲルベルク大会、1月9、10日のスロベニア・プラニツァ大会の4戦。全日本スキー連盟による派遣ではなく、個人参加。その前の国内2連戦へ「勝って勢いをつけてC杯に行きたい」と意気込んだ。

W杯メンバー復帰を目指し、所属先の協力のもと、C杯に自費で参戦する。4戦での成績が上位3選手に入れば、W杯出場枠が与えられる。「C杯ポイントをしっかり取って、チャンスを得られるように」。W杯は88年12月にデビューしてから、ケガをした94~95年をのぞき31シーズンを戦ってきた。個人569戦出場はギネス世界記録にも認定されている。今季、積み上げてきたその歴史を途絶えさせたくはない。全ては22年北京五輪への出場を目指しているからだ。

コロナ禍での本格的なシーズンイン。雪上での練習はまだ3日目。感染予防対策として練習では人数制限があるため本数はこなせていないが、レジェンドの顔には自信が漂う。「調子は上々なので楽しみ」。逆境にも負けず、メラメラと燃えている。