18年大会ベスト4、昨年もベスト8に進出した桜丘(愛知)が、06~08年に3連覇を達成した強豪の洛南(京都)に2点差で惜敗した。開始から一進一退の接戦。前半は29-27と洛南にリードされて折り返した。第3クオーターで1度は追いついたが、勝ち越すことができなかった。

第4クオーター残り1分8秒の時点で10点差をつけられていたが、ここから桜丘が猛然と追い上げた。67-65で迎えた残り7秒。最後のチャンスがきた。左サイドから主将の野沢登真(3年)が一発逆転を狙って3ポイントシュートを放った。しかし、無情にもボールはゴールを外れて、試合終了のブザーが鳴った。

試合後、野沢は「この試合に勝てば勢いに乗れると思っていたので悔しい。自分の力不足が最後の最後の3ポイントで出てしまった。あの1本を入れていればいい雰囲気で終われたのに……。あの最後のシュートチャンスをつくってくれたチームメートに感謝したい」と、涙を流して声を絞り出した。

メンバー18人のうち14人が1、2年生という若いチーム。大きな大会の経験が少ない選手が多く、今年はコロナ禍で試合が消化できなかったことも影響したのかもしれない。「チームでなかなか一緒に動けない中、監督に言われなくても自分たちで考えてやれるようになった。今の桜丘のいいところは自分たちで組み立てて、楽しめるところ。来年は日本一を取ってほしい」。野沢が流した悔し涙は、きっと後輩たちの目に焼きついているはずだ。