萩野公介(26=ブリヂストン)が、ライバル瀬戸大也(26)との再会レースを心待ちにした。

200メートル個人メドレーは1分58秒62で優勝。400メートルとの個人メドレー2冠を飾った。次戦のジャパン・オープン(2月4~7日、東京アクアティクスセンター)では2カ月半の活動停止が明けた瀬戸と個人メドレー2種目で対戦予定。五輪メダリスト同士のライバル物語が、リスタートを迎える。

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萩野が、2月に再会する瀬戸にエールを送った。「まず会えることが楽しみ。全然会っていないけど、彼もすごく元気だと思う。プールで会えることを楽しみにしてます」。次戦のジャパン・オープンは、ともに個人メドレー2種目にエントリーする。第1日の2月4日に400メートルと第3日の同6日に200メートル。直接対決は19年11月東京都オープン以来1年3カ月ぶりだ。

瀬戸との再会レースを前に、この日はしっかりと勝利した。得意の背泳ぎで抜け出し、最後の自由形で2位宮本一平をぐっと突き放す。400メートルとの2冠を達成。課題だったバタフライで足が浮き上がらないように注意した。課題を明確にして試合に臨んだ。かつてはレース直前になると心が揺れたが「今は全然、違います。焦ってしまってどうこうじゃない。純粋にテクニックの部分です」と落ち着いて言った。

19年春。モチベーションの低下を理由に3カ月の休養をとった。「大好きな水泳が嫌いになりそうだった」。その際に瀬戸から「休んで『ニュー公介』になって戻ってほしい」とエールを送られた。昨年10月は瀬戸が女性問題で年内活動停止処分を受けた。萩野は「ずっと戦ってきた仲間。年明けから一緒にレースできることを楽しみにしている」と再会を心待ちにした。

萩野が金、瀬戸が銅と2人で表彰台に立った16年リオデジャネイロ五輪から4年以上。お互いに、いい時も、悪い時もあった。それでも、プールで競い合う関係は小学3年の全国大会で初めてレースをしたころから変わらない。

萩野はジャパン・オープンでの400メートル個人メドレーについて「今大会で前半から積極的に入れた。4分10秒ぐらいのメドは立ったと思う。ここからの流れをどうしようかなと考えるとわくわくする」。世界の頂点に向かう2人が2月4日、再び交わる。【益田一弘】

<萩野と瀬戸の道のり>

◆16年 リオデジャネイロ五輪400メートル個人メドレーで萩野が金、瀬戸が銅。

◆17年 世界選手権で、萩野は200メートル個人メドレー銀メダル。瀬戸は200メートルバタフライ、400メートル個人メドレーでともに銅。

◆18年 萩野は年明けに入院。医者から「動いたら死ぬ」と言われる。ジャカルタ・アジア大会は個人で金メダルなし。瀬戸は同大会で金メダル2を獲得。

◆19年 萩野は3月にモチベーション低下を理由に3カ月休養。日本選手権を欠場した。瀬戸は、夏の世界選手権で200メートル、400メートルの個人メドレー2冠=東京五輪代表に2種目で内定。200メートルバタフライでも銀と1大会メダル3個。

◆20年 東京五輪が延期。萩野は、6月に「もし東京五輪がきていたら、ちょっと厳しかった」。秋には国際競泳リーグ(ISL)で400メートル個人メドレー5連勝して復調傾向。12月の日本選手権で個人メドレー2冠を達成。瀬戸は五輪延期に「喪失感で抜け殻になりました」。9月に女性問題が報じられて、ANAとの所属契約が解除された。日本水連から「年内活動停止」の処分を受ける。