アーチェリーのオリンピック(五輪)メダリストの山本博(58=日体大教)が13日、全日本室内選手権が行われた長野市で愛車に傷を付けられる被害にあった。

大会に出場するため前日に長野市に入り、宿泊するホテルが提携する駐車場に車をとめていたが、この日午前、試合場へ向かうために駐車場を再び訪れたところ、車のボンネットに鍵のようなもので大きく引っかいた傷を発見。長野県警に被害届を出した。

繁華街に位置する大型駐車場で、他の車も多く駐車していたが、被害に遭ったのは山本の車だけ。ほとんどが県内ナンバーの中、山本の車だけが世田谷ナンバーだったため、新型コロナウイルス感染者が拡大して緊急事態宣言が出されている東京からの来訪を快く思わない人物の差別的な犯行の可能性もある。

「午後からの試合に向かうところでした。確かに僕の車だけが世田谷ナンバーでしたから、都民を狙った犯行だと思います。大会に来てこんな被害に遭ったのは初めて。長野県警の方が4人で対応してくれていますが、今日も宿泊予定なので心配です」と、東京都体育協会の会長も務める山本はショックを受けた様子。84年ロサンゼルス五輪銅、04年アテネ五輪銀メダリストの山本は今年の東京五輪出場権を逃しているが、24年パリ五輪で3度目のメダル獲得を目指している。全日本室内選手権は今シーズンの本格的な初戦だった。