白血病から復帰した池江璃花子(20=ルネサンス)が、2年1カ月ぶりに本命種目を解禁した。16年リオデジャネイロ五輪5位の100メートルバタフライに、復帰5戦目で初出場。予選を1分0秒06で全体2位、決勝は59秒44で3位。日本選手権(4月、東京アクアティクスセンター)参加標準記録1分0秒29もクリアした。これで50メートル、100メートルの自由形との3種目で同選手権出場資格を確実にした。

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疲労困憊(こんぱい)の姿だった。池江は2年1カ月ぶりのバタフライを予選、決勝と泳いで「こんなにきつかったっけ。出るのは早かったかなと思った」。目標の59秒3台にわずかに届かない59秒44。「隣(2位木津喜)に負けたのはすごく悔しかった。なかなか難しいですね」と言った。

白血病発覚前のラストレースとなった19年1月以来の本命種目。電光掲示板には自身の日本記録56秒08が映る。「あんなタイムで泳いでいたのか…。不思議な気持ち。今までに感じたことがない気持ちだった」。

この日で日本選手権の出場資格は確実にしたが「これから検討したい」と慎重な姿勢だった。「正直、自信をなくしかけそうになった」と柔らかい笑顔。親交がある世界記録保持者ショーストロムが右肘を骨折したことについて「彼女は前向きにリハビリしてる。彼女の分まで頑張らなきゃ」と口にした。【益田一弘】