男子60キロ級は先月24日に53歳で死去した92年バルセロナ・オリンピック(五輪)男子71キロ級金メダルの古賀稔彦さんの次男、玄暉(げんき、22=旭化成)が涙の初優勝を飾った。決勝は20年講道館杯3位の竪山将(パーク24)に、延長6分14秒に合わせ技一本で勝利。「結果で恩返しする」と誓い、偉大な亡き父へ吉報を届けた。大会後に全日本柔道連盟の強化委員会が開かれ、玄暉ら9人の世界選手権(6月、ブダペスト)代表が選出された。

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大会後、全柔連の強化委は世界選手権代表9人を選出した。男子代表の井上康生監督らがオンライン会見を行い、選考理由などを説明。コロナ禍で国内外の大会が制限されているため過去2年間の成績と、パリ五輪を見据えて世界で戦える若手に重点を置いた。「2枠目」で決まった18年世界ジュニア60キロ級覇者の古賀玄暉と同90キロ級準優勝の村尾三四郎についても意見が出た。井上監督は「過去の実績や内容を総合的に見て判断した。既に24年の戦いは始まっており、彼らがパリ世代を引っ張ってもらいたい」と期待した。