テニスの全仏オープン(パリ)に出場している世界2位の大坂なおみ(23=日清食品)が、5月31日(日本時間6月1日未明)に大会を棄権することを電撃表明した。

自身のツイッターに英文で「トーナメントにとって最善の方法は、他の選手、そして私自身の健康のためにも、みんながテニスに集中することができるように、私がこの大会を棄権することだと思う。決して、みんなの邪魔になることだけはしたくなかった」とつづった。

さらに、「The truth is that I have suffered long bouts of depression」とも記し、2018年の全米オープン以降、長い間、うつ病(depression)に悩まされていた事実を告白した。

大坂は大会前の5月27日に、選手の精神状態が軽視されていると訴え、自身のSNSで記者会見には出席しないことを宣言。30日の1回戦後に、宣言通り、試合後の会見を拒否した。

この行動が波紋を広げた。主催者は1万5000ドル(約165万円)の罰金を科した上で、4大大会の主催者合同で「違反を続けると大会からの追放、4大大会出場停止もあり得る」と警告。世界的に、大きな騒動になった。

すると、大坂は31日にツイッターに「怒りは無理解から来る。変化することは、人を不愉快にする」と批判とも取れるコメントを投稿。インスタグラムのストーリーには、19年に亡くなった伝説的なラッパー、ジュース・ワールドの音楽アルバム「good bye & Good RIDDANCE」のジャケット写真を掲載し、その楽曲を流した。タイトルの意味は「さよなら。これでせいせいするわ」だった。

そして、現地時間の同日中に2ページにわたる文書(英文)をツイッターに投稿し、大会から去ることを表明した。

第2シードの大坂は、6月2日のシングルス2回戦で世界ランク102位のアナ・ボグダン(ルーマニア)と対戦する予定だった。

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