帝京長岡(新潟)が3大会ぶりの優勝。決勝は同県の開志国際と対戦。県大会決勝と同じ決勝対決になったが、75-70で勝った。SG古川晟(3年)が第3クオーター(Q)の47-47の場面で3連続の3点シュートを決めるなど6本の3点シュートでライバルを下した。優勝校は全国高校総体(インターハイ)でシードされる。

精密な「照準機」を搭載しているような、SG古川のロングシュートだった。47-47で迎えた第3Qの7分過ぎ。パスをもらいフリーになると迷わず3点シュートを放ち、3本連続で成功させた。3本目のショットがリングに収まると拳を握り締める。第2Q終了時点で31-37と追いかける立場だったが、56-51と5点のリードを奪うと、2度と追いかける場面は訪れなかった。

「ボールが手から離れる瞬間、ゴールを確信していた」と古川は3点シュートが決まるシーンを振り返る。決勝は6本の3点シュートをリングに沈めた。実家の柏崎市から「朝練」に間に合わせるため毎朝、柏崎駅始発5時30分の信越線で通学する頑張り屋の大暴れだ。全体練習後の自主トレではシューティングマシンを使い、連日200本の3点シュートを5カ所から放ってきた。「3点シュートは自分の武器だと思っている」と同県同士の頂上対決で持ち味を発揮した。

第4Q、残り5分43秒に得点源の1人、島倉欧佑(3年)が5ファウルで退場した。そんな苦境も古川らの活躍で乗り越えた。柴田勲監督(51)が「もともとポテンシャルはある。彼の成長がチームの伸びシロになる」と言う。北信越を制して、男子は地元長岡で開催されるインターハイ(7月)に弾みがついた。今大会で選手が着たユニホームは17年のインターハイ準決勝で優勝した福岡大大濠に4度の延長(87●89)の末に敗れた時に先輩が着ていたもの。伝統を引き継ぐ古川は「地元を力に変える」と先輩たちが届かなかった全国優勝を狙う。【涌井幹雄】