今大会2度目の「金星」は、届かなかった。今秋からバレーボールのV2に参入するリガーレ仙台(宮城)が、V1日立(茨城)に1-2で惜敗した。大学卒業後、6年間日立に所属した佐藤あり紗選手兼監督(31)は、堅守と前向きな姿勢でチームを引っ張った。古巣相手にフルセットで敗れたが、大会初出場でV1、V2のチームに計5戦で3勝2敗。最終順位は全12チーム中5位で、旋風を起こした夏を終えた。

18年5月の日立退団から約3年。リガーレ仙台・佐藤選手兼監督が、初めて古巣とコートで相まみえた。一緒にプレーした選手は半分以下でも、試合前は「前までいたチームと同じ舞台で戦えるという、どこまで通用するのかなという楽しみな感じだった」。第1セット(S)は落としたが「切り替えができたことが大きかった」と、第2Sは粘りの守備から練習したブロックアウトなどで得点を重ね、同Sを奪った。逆転勝利も見えた第3Sは一進一退の攻防の末、最後は連続得点で振り切られた。

最終戦は敗れたが、大会期間中に思い出がよみがえった。初日(25日)に、V1埼玉上尾に勝利を決めた瞬間は「サマーリーグで優勝したぐらいうれしかった」と両腕を突き上げて喜んだ。15年のサマーリーグは日立の主将として優勝を経験。あれから6年。現在は地元仙台市のチームで選手兼監督を務め、今大会の“台風の目”として注目を浴びるチームに成長させた。

今後は国体予選や皇后杯予選が控えており「大会を通してサーブが弱かった。サーブの強化をやりたい」。今季のスローガンは「挑」。さらなる高みへ、挑み続ける。【相沢孔志】

○…リガーレ仙台・小沢史苑(24=日体大)は、左膝を負傷した大貫菜生(25=東海大)に代わって主将を務め「人数が少ないチームなので全員で戦うという気持ちと菜生の分ということも強くあった」と振り返った。初参戦のV2リーグ戦や他の公式戦を見据え「大事なところでのサーブミスや簡単なミスは防げる。声がけをたくさんして、自分たちのリズムを切らせないことを意識したい」と語った。