日本フィギュアスケート界に待望の新ペアが誕生した。

ペアで4大陸選手権出場経験を持つ市橋翔哉(23)が3日、柚木心結(ゆのき・みゆ、15)とパートナーを組むことを発表した。

自身のインスタグラムに、2人そろって撮影した動画と写真をアップ。2日から正式にペアで活動開始したといい、動画で「今シーズンから試合にも参戦していくので、楽しみにしていてください」と決意表明した。柚木も自身のインスタグラムに「夢への第1歩を踏み出せてうれしいです。これから翔哉くんと一緒に応援していただけるようなカップルになれるように頑張ります!!」とつづった。

市橋にとって、長い2年間だった。世界ジュニア選手権や4大陸選手権に出場した三浦璃来(19)とのペアを19年に解消。そこからはパートナーを探しながらシングルの試合にも出場した。20年10月の近畿選手権フリー後には「1人で滑っていて『寂しいな』と思っていました。『横に誰かがいる』とイメージして滑ってみたけれど、目に見えないし『結局1人で滑っているな』となった」と打ち明けた。その上で「来シーズンまでにはペア選手に戻れるように努力をしたい」と自らに言い聞かせていた。

新たにパートナーとなる柚木は昨季、帯広FSC所属のシングルスケーターとして活動。東日本ジュニア選手権で15位に入っていた。

日本にとって、ペアの裾野拡大は長年の課題とされてきた。19-20年シーズンの全日本選手権は三浦、木原龍一(29)組のみの出場。20-21年シーズンも三浦、木原組のみがエントリーし、2人はカナダが拠点のため、新型コロナウイルスの影響による渡航を考慮して競技そのものが実施されなかった。三浦、木原組は21年3月の世界選手権で10位と躍進。柚木、市橋組の結成で、日本全体のレベルアップも期待される。