男子の小池克典(20=全日空商事)が総合3位とアピールし、22年北京五輪代表の最終1枠に滑り込んだ。前日の500メートルを制し、この日も1000メートル5位。内定済みだった吉永一貴(トヨタ/中京大)、菊池耕太(恵仁会)、宮田将吾(阪南大)と“末っ子ジャパン”を結成し、強化する男子5000メートルリレーで98年長野五輪以来となる24年ぶりのメダルを狙う。女子は神長汐音(22=全日空商事)が総合3位と地力を示し、最後の1枠に入った。

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少しの間を置き、呼ばれたのは小池だった。大会終了後の代表発表。残り1枠を争ったライバルを横目に「すごくうれしい」と初の五輪切符を手にした。過去の大会も含めたポイントで最上位となり、選考過程で重視するリレーの適性もクリア。10年バンクーバー五輪スピードスケート男子500メートル銀メダルの実績があり、未経験の競技で再建を託された長島圭一郎ヘッドコーチ(HC)は「4人の中で一番、スケーティングが天才的。まだ開花されていない」と期待した。

歴史を変える。ショートトラックのメダルは98年長野五輪男子500メートル金の西谷岳文、銅の植松仁が最後。前回の平昌五輪は拠点が異なる選手が多かったが、北京に向けてはナショナルチームが軸になった。標高1350メートルの長野・野辺山にこもり、個の競争はもちろん、メダルを狙うリレーを強化。バトン代わりに腰を押す「プッシュ」も細部にこだわった。最年長24歳で兄と姉がいる菊池耕は「みんな末っ子で甘え上手。ライバルで、仲間で、和気あいあいできる4人」とニンマリ。気心知れた兄1人の吉永、姉2人の宮田や小池との連係に自信がある。

今季のW杯は6位が最高で、残り約1カ月半の準備が重要になる。長島HCは「戦術は終わるまで言えない。能力的に(メダルを)取る力がある。可能性は高い」。男女個人種目、初採用の混合リレーと共に総仕上げに入る。最年少18歳の宮田は「メダルを取って、ショートトラックの歴史を変える五輪にしたい」と高らかに誓った。【松本航】