22年北京五輪の代表最終選考会を兼ねた全日本選手権第3日、女子フリーが、午後5時過ぎから行われる。

【写真特集】坂本花織は最終24番目、樋口新葉23番目、本田真凜2番目/全日本選手権女子フリー速報>

注目は、女子代表3枠を目指すフリー最終組の6人。24日は会場で25日のフリー本番に向け練習した。

ショートプログラム(SP)首位の坂本花織(21=シスメックス)は曲をかけた通しで、ジャンプを全て決めた。2位の樋口新葉(明大)に4・57点差で、3年ぶり優勝へ優位な位置にいる。それでも「気は抜けん」と口にし、会場を後にした。

2位樋口から6位松生理乃(愛知・中京大中京高)までは2・35点差。五輪代表は今大会優勝者が1人目に内定し、2~3人目は26日に発表される。表彰台に立つことが五輪切符へ大きなアピールになる。

魅力的な上位6人の強み、武器などを紹介し、激戦必至の氷上の争いに迫る-。

※カッコ内は登場が予想される時間。

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6位松生理乃 昨季ジュニア3冠女王が逆転を目指す。各競技のアスリートがそろう高校のスポーツクラスで、持久力を測るシャトルランは103回。本職の陸上部員に次ぐ2位と自慢のスタミナで、フリーでは基礎点1・1倍になる苦しい後半に連続ジャンプ3本を集める。

(午後8時23分)

5位三原舞依 4年前5位の悔しさをぶつける。フリー曲は憧れの浅田真央さんを担当したローリー・ニコルさんの振り付け。「森の妖精さん」のイメージ。遠征時の必須アイテムはけん玉。小学校低学年から児童館で繰り返した特技が、柔らかい動きに至る膝を育んだ。

(同8時31分)

4位宮原知子 4位入賞した平昌五輪に続く2大会出場へ安定感で勝負する。フリーも3回転半を封印し、持ち前の表現力を優先。得意な大人の塗り絵とオーケストラ鑑賞で心を整え、趣味のウインドーショッピングでは2時間買わなくても動じない。大舞台でも泰然自若。

(同8時39分)

3位河辺愛菜 17歳の新鋭はSPでは出場30人で唯一3回転半を決め、スピン、ステップでも成長を刻んだ。試合前は「いつも聞きます」という「嵐」のように、勢いは増すばかり。フリー曲は「ミラクル」。シーズン前は想像外だった五輪出場は、もう奇跡ではない。

(同8時47分)

2位樋口新葉 フリーで演じるのは人気ミュージカル「ライオンキング」。冒頭に組み込む3回転半から、雄々しさも滑りに込める。平昌五輪に届かなかった4年前にはなかった武器で、日本の「キング」も見える好位から、五輪という獲物を狩りにいく。

(同8時55分)

1位坂本花織 2大会連続五輪へ堂々と構える。「4年前と変わらないのは、自分のやるべきことをしっかりとやる」。コロナ禍でリンクが使えなかった時期は、公園で蚊に刺されながら振り付け習得に励んだ。中野コーチも「『普通の子』であり続けられるのがいい」と太鼓判を押す。

(同9時3分)