10年バンクーバーオリンピック(五輪)代表で、11年世界選手権銀メダリストの小塚崇彦氏(32)が北京オリンピック(五輪)の日本代表に決まった男子3選手の演技について語った。

【男子フリー】羽生結弦 圧巻Vで北京五輪内定!2位宇野昌磨/全日本男子フリー詳細>

大会は、羽生結弦がクワッドアクセル(4回転半ジャンプ)に挑戦し、ダウングレード判定となったが、2年連続6度目の優勝を果たした。宇野昌磨が2位、鍵山優真が3位に入った。

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羽生選手の4回転アクセルは丁寧に入りすぎていた印象を受けました。もう少し振り回して、回転の始まりに勢いがあれば、成功に近づいたのかもしれません。

ここまでの公式練習では、回転の軸作りをしていました。3回転半とは全く異なる技術が必要で、振り回すとぶれる軸をいかに抑えるかを考え、順序立てて臨んでいました。試合で跳んだ事が何よりも大きな経験で、ダウングレードの結果は気にすることはないと思います。

他の4回転のトーループ、サルコーは出来上がっており、それ以外の要素にも不安はありません。4回転半を跳ぶことの影響はなく、あとはループとルッツをどのように組み込むか。点数としては一段上の所で戦っている。勝つ時は絶対的に勝つのが羽生選手。北京を見据え、構成も練ってくるはずです。

宇野選手には気持ちの強さを感じました。転倒した後半の4回転トーループは後ろに3回転をつけようとしたためでしょう。NHK杯では着氷が乱れ、2回転に抑えてしまった後悔を口にしていました。この日は転んでもいいから3回転を目指す良い失敗でした。

鍵山選手は五輪選考会を戦い抜いたことが何よりの経験です。SPでの転倒は緊張でしょう。そこも含めて糧になる。3人がそれぞれの挑戦をする五輪になるでしょう。(10年バンクーバー五輪代表、11年世界選手権銀メダリスト)