報徳学園(兵庫)が伝統校・茗渓学園(茨城)との1回戦屈指の好カードを19-7で制して、2大会ぶりの花園勝利を飾った。バックス中心の色が濃い報徳学園のチームカラーだが、ラインアウトからのドライビングモール攻めで茗渓学園を圧倒。後半は無得点も前半にあげた3トライで逃げ切った。ノーシードの実力校が不気味な後方待機で上位を見据える。

【スコア速報】高校ラグビー2021>

最後に決めるのはバックスでも、下地にあるのはFWの踏ん張りだった。報徳学園が、V経験もある伝統校・茗渓学園との好カードをFWで制した。立ち上がり13分で2トライはいずれもラインアウトからのFWによるモール攻め。プロップ木谷は「バックスのチームと思われがちだが、ラグビーはFWがいないと始まらない」と力強く言った。

報徳学園の売りは決定力抜群のバックス陣。しかし、ノーシードから下克上を果たすには、FWの奮起が不可欠だ。主将のCTB山村和也(3年)は言う。「春からFWが成長してくれている。FWの頑張り次第では上位を目指せる」。

高校日本代表候補の山村をはじめ、この日75メートルの独走トライを決めたWTB海老沢琥珀(2年)など、後ろにはタレントがそろう。「決め手」をいかに生かせるかが、全国大会でのテーマだった。山村は「FWが前に出て、1対1を作ることができれば、抜ける自信がある」と力強く言った。

西條裕朗監督(58)は「ホッとしました。相手のミスに助けられた部分もあった」と振り返り、「茗渓学園のタックルは低く激しかったが、それに負けなかった」と手応えを口にした。

過去4強1回、8強6回の実績を誇る。シード校にとっても、脅威の存在は間違いない。山村は自身のプレーを動画で毎回チェックするという。「いいプレーでどんなステップを踏んでいるのか、見ることができる」。向上心のあるバックスに、向上しているFWが加わり、報徳学園の下克上が始まった。【実藤健一】

【高校ラグビー】高校ラグビー2021関連ニュース>

【高校ラグビー】組み合わせトーナメント表はコチラ>