尾道(広島)が高鍋(宮崎)とのノーシード対決を制し、2大会連続の3回戦進出、花園での“年越し”を決めた。

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鮮やかなターンオーバーで流れをつかんだ。3点を追う前半13分、敵陣の相手ボールスクラムからプレッシャーをかけ、高鍋のアタックが乱れたブレークダウンでボールを奪取。ショートパスをつないでCTB松井寿樹(3年)が逆転トライを決めた。同15分にも相手のキック処理が乱れた場面で、こぼれたボールを松井が好セーブ。再びショートパスをつなぎ、WTB有賀摂(2年)がトライを決めた。

スクラムは押す。ディフェンスから攻める。そんな“尾道スタイル”が活気を帯びる瞬間がある。ターンオーバーが狙えると判断すれば、誰かが「ファイア!」とコールする。合図と同時にラインを上げる。フッカー前川陽来主将(3年)は「ウチの基本はまず“詰める”こと」。2本目のトライの起点となるセービングを決めた松井は「狙ってましたんで」と笑顔を見せた。

試合序盤は高鍋の速い出足に劣勢に回ったが、しっかり守って勝った。田中春助監督(33)は「高鍋さん、良かったです。ずっと苦しかった。でも、ウチの持ち味のディフェンス、それを出せて良かった。みんな、守りを楽しんでました」と満足そうだ。

元日の3回戦は、3連覇を狙うAシード桐蔭学園に挑む。田中監督は「ウチが勝つとしたら、大差なんかない。粘って、チャンスをものにしたい。ウチは勉強頑張ってる子も多くて、集中力ありますよ」。桐蔭学園とは練習試合も含め、現3年生は対戦経験がない。前川主将は「Aシードに僕らのプレーがどれだけ通じるか。見ている人に楽しんでもらえるラグビーをして、自分たちも楽しみたいです」。大一番に思いをはせ、声を弾ませた。

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