アルバルク東京(A)は、選手13人全員を同じプレー時間出場させるスタイルで最後まで戦った。タイムアウトもほとんど選手たちだけで、中村領介監督はベンチの端で見守った。

試合は終始、東北学院中(宮城)にリードを許す展開も、選手たちは積極的に3点シュートを放ち、20本中8本を決めた。後半は、点差が縮まる場面もあったが、ミスも重なり点差を広げられた。

中村監督は「これからの選手たちだから、ベンチに座っていては経験は積めない。中学の時にジュニアウインターカップ何位とか全国何位だからプロ選手になれるわけではないので。もっと大きいところ、プロを見据えて育成していくことが大事」と話した。

A東京がユースを立ち上げてから、第2期生となるこのチームは、ここまで変わらず1分30秒で5人を替え、全員が均等に出場できるように交代している。セットプレーなどはなく、積極的にリングにアタックするプレーを選手に求めている。

選手の自主性を重んじ、大会前には選手たちがミーティングを開き大会に臨む大きなテーマを「リスペクト」に決めた。試合の中では、審判の微妙な笛にも顔色を変えることなく、相手が倒れたら真っ先に助け起こす選手たちの真摯(しんし)な姿勢が目を引いた。

「上位1%か2%しかプロになれないという中で、技量、身長など同じ選手でプロになれるのは、スポーツマンシップを持った選手だと思います。A東京の文化の中で成長していくための大きな土台を築いて、順調に成長してほしい」と中村監督は言う。

第1期生は12人がU18に昇格。今年の3年生は、10人がU18に昇格する見通しだ。