北京オリンピック(五輪)銀メダルのロコ・ソラーレが、ワールドツアー最高峰グランドスラムのプレーヤーズ選手権で奮闘中だ。

五輪後初の公式戦として臨み、14日(日本時間15日)の第3戦を終えた時点で2勝1敗。準々決勝進出まであと1勝としている。次戦は日本時間16日午前1時、カナダのチーム・マッカービルと対戦する。

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今大会をはじめ、今季のワールドカーリングツアーでロコ・ソラーレの選手たちが着用しているのが「宇宙」をモチーフとしたユニホームだ。全体に星がちりばめられたような斬新なデザインは、チームが持つ無限の可能性をイメージさせる。

サードの吉田知那美(30)は昨年9月、自身のインスタグラムに、ロコ・ソラーレと育成チームのロコ・ステラは、太陽(ソラーレ)と星(ステラ)から構成される宇宙をテーマにしたクラブであると説明。そして「尊敬する日本の宇宙飛行士野口聡一さんが3度目の宇宙飛行を達成したことにインスパイアを受け」て、デザイナーに「スペイシー」(宇宙空間的)なウエアにしてほしいと相談したことを明かしている。

吉田知と野口さんは18年に対談の機会を得て交流が生まれた。「勝てない自分たちに価値はないのか」。そんな悩みを抱いていた吉田に、野口さんは一緒になって向き合ってくれた。人生の大先輩がかけてくれた言葉1つ1つは、吉田知が選手として、人間として成長していく上で大きな財産となってきた。

北京五輪の決勝で敗れた直後、吉田知は「野口さんの言葉がなかったら、この記者会見でふてくされていたままだったと思います」。悔し涙を拭い去り、晴れやかな表情で銀メダルを首にした。

自分たちが、自分たちらしくあるために。思い入れがたっぷり詰まったユニホームに身をまとい、今大会でも笑顔を絶やさずプレーする。

◆ロコ・ソラーレのユニホーム 昨年12月の北京五輪世界最終予選や今年2月の北京五輪では、黒と白をそれぞれ基調とした2種類の日本代表ユニホームで出場。昨秋の日本代表決定戦で北海道銀行と熱戦を繰り広げたときには、青をメインとしたデザインのユニホームで臨んでいた。

◆プレーヤーズ選手権 ワールドツアー最高峰のグランドスラムと呼ばれるシリーズの1つで、男女とも世界チームランキング上位16チームが招待を受ける。辞退チームがあった場合は、同17位以降のチームが繰り上がりで出場資格を得る。勝ち上がり段階で3度負けると敗退となる「トリプルノックアウト方式」が採用され、3勝した8チームが決勝トーナメントに進む。