レスリングは帯広北が団体戦を2戦全勝で制し、5年ぶり6度目の全国切符をつかんだ。昨年までは3年生3人しか部員がおらず、4人以上必要な団体戦に出場できなかったが今春、経験者6人(女子1人)が加入。全7階級に選手を配し、3月の全国高校選抜92キロ級4強の菊地和ら3年生と、4月のJOC杯U-17の51キロ級4強の妹尾優篤ら1年生が力を合わせ、2試合計14戦で13勝1敗という圧倒的強さで、頂点に立った。

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精鋭8人が力を出し切り、5年ぶりに団体戦の全国切符を勝ち取った。初戦で昨年王者千歳北陽を6勝1敗で下すと、2戦目の札幌東豊戦では、最後の125キロ級に出場した菊地和が、豪快な裏投げを2回決め、7戦全勝でのタイトル奪取につなげた。菊地和は「高校3年目で初めて団体に出られて楽しかった。全国でも後輩が力を出せるように、自分たちがしっかり引っ張っていけるようにしたい」と大舞台を見据えた。

5年前に団体戦に出場した際、3年生としてチームをけん引したのが、昨年の世界選手権に初出場し、グレコローマン63キロ級で銅メダルを獲得した清水賢亮(22=自衛隊)だった。帯広北の選手たちは2月、母校を訪れた清水とともに3日間練習し、主将の岡部利毅(りき、3年)は「組んで技を決めるまでの流れが勉強になった」。質の高い練習と、世界で戦う選手との交流が生き、不戦勝を除く11勝すべてをフォール、テクニカルフォールで、圧勝した。

新戦力を生かすチームアレンジも奏功した。159センチの岡部主将が、昨年までの65キロ級から60キロ級に階級を落とし、169センチの1年生、小林冴祐(さすけ)を中学時代の階級に近い65キロ級で出場させた。小兵の岡部にとっては、下の階級で出場する方がメリットが多く「減量は大変だったが全国で勝つため。この階級で戦うことで、団体でも個人でも全国上位を狙える」と強い口調で話した。

帯広北を指導する帯広レスリングクラブの五十嵐真人コーチ(44)は「1年生は初めての高校での試合だが、冷静に戦ってくれた。夏の全国経験を、また先につなげられたら」と期待。3日の個人戦は、出場全7階級を制し、全国舞台に弾みをつける。【永野高輔】

<選手ひと言>

◆51キロ級・稲川 高校で練習したカウンターでうまく入れた。先陣での出場だったので、勝って勢いづけられて良かった。

◆55キロ級・妹尾 4月のJOC杯3位は自信になったが、まだまだ上がいることも分かった。もっと力をつけないと。

◆65キロ級・小林 勝てたのはうれしいが、焦ってセコンドの声を聞けなかった場面も。反省して個人戦に臨みたい。

◆71キロ級・田沢 先輩たちが強いので勢いに乗って試合に臨めた。あわてないで戦うことで、攻撃を受けるリスクを下げられた。

◆71キロ級・菊地頼 ぼくだけ1敗。力不足。相手が3年生でも関係ない。相手に合わせてしまった。個人戦で絶対に勝ちたい。

◆80キロ級・高橋 仲間と一緒に戦える団体戦は楽しかった。インターハイは最低でも3年生で3勝。全国8強を目指したい。