昨夏の東京オリンピック(五輪)で金メダルを獲得した永瀬貴規(28=旭化成)が、準々決勝で敗れる波乱があった。3位だった。

五輪後、初の国際大会。敗者復活戦を1つ勝って3位決定戦に回ると、ロシアから中立的な立場で参加しているフベツォフ(28)と対戦。大外刈りによる技ありからの横四方固めで合わせ一本勝ちを収め、メダルは手にした。

準々決勝ではイ・ジュンファン(20=韓国)に敗れた。指導2つを奪うなど手堅く試合を進めていたが、残り44秒、左の背負いで股下に入られ、投げられた。技あり。残り時間で体落としなどを仕掛けたが逃げ切られ、首をかしげた。

イはガッツポーズで大喜び。今月上旬のGSトビリシ(ジョージア)で優勝した新鋭は、金ゼッケンの五輪王者から金星を挙げた勢いで準決勝も決勝も制し、2大会連続のGS優勝を果たした。

今大会から24年パリ五輪出場権獲得の基準となる世界ランキングのポイント対象期間が始まっている。

永瀬は大会前の取材で「現状の自分の力を把握したい。大会を通して感じるものがあればいいのかな。(代表に内定している10月の)世界選手権(タシケント)が1つの本番なので、今回は海外の強豪選手と組むことで課題などを見つけることができれば」と、まずは結果よりも11カ月ぶりの国際試合を体感することを重視していた。【木下淳】