シニア7年目の山本草太(22=中京大)が首位発進した。

95・15点を記録し、2位の友野一希(上野芝スケートクラブ)とは12・72点差。初めて4回転-3回転の連続トーループ、4回転サルコーをそろえ「海外で戦っていけるような構成。調子自体はすごくいい」。演技後は右拳を何度も振った。

憧れの人がいる。先月、羽生結弦さん(27)がプロ転向を表明。10年バンクーバー五輪代表選考会となった09年全日本選手権では、開催地の地元大阪でスケートをしていた9歳の山本が氷上のプレゼントを拾う「フラワーボーイ」を務めた。ジュニアながら6位入賞を飾った羽生さんを見て「素晴らしい選手だな」と目標になった。

「(一緒の)試合、ショーも経験したくさんのことを学べた。背中を追い続け、羽生選手みたいなスケーターになれるように成長したい」

自身は15年世界ジュニア選手権3位など実績を積んだが、故障に悩まされるシーズンが続いた。今季に向けてはシーズン中と変わらない練習を積め、4回転フリップも着氷。今季フリーでその大技を組み込む意向も持つ。フリーは13日。滋賀の地で、世界へ羽ばたく自信をつける。【松本航】