男子200メートルバタフライで東京五輪銀メダリストの本多灯(22=日大)が1分46秒85の短水路世界新記録を樹立して優勝した。この日3位だった瀬戸大也が18年に出した記録を1秒39塗り替えた。男子200メートル自由形で松元克央(ミツウロコ)、男子1500メートル自由形では竹田渉瑚(オーエンス)、女子100メートル平泳ぎでは青木玲緒樹(ミズノ)がそれぞれ日本新をマークした。

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レースが終わり、本多は前世界記録保持者となった瀬戸から声を掛けられた。「速いなあ」。本多の表情に満面の笑みが浮かんだ。

隣のレーンの瀬戸を抑えて序盤から先頭に立つと、後続をどんどん引き離した。苦手だったターンも改善。水中でのドルフィンキックも力強さが増した。「今回は世界記録を出したいと思っていた。達成できてうれしい。さらに47秒の壁を切れた。最高です!」。自己ベストを3秒近くも更新した。

練習拠点を日大に移し、競技について「深く考えるようになった」と話す。通学などによる負担もなくなり、生活面も充実しているという。

12月の世界短水路選手権(メルボルン)には向かわず、国内で強化に充てるプランを描く。「五輪は長水路だが、この短水路の記録を自信にしたい」。言葉に充実感がにじんだ。

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