【ノーウッド(米国)=阿部健吾】日米のミラノ世代が輝いた。史上初のクワッドアクセル(4回転半ジャンプ)を決めたイリア・マリニン(米国)が2度目の超大技を母国で決めフリーは歴代6位の194・29点で、ショートプログラム(SP)4位から逆転優勝。シニア1年目、SP首位の三浦佳生(オリエンタルバイオ/目黒日大高)は粘りの演技でフリー178・23点、合計273・19点で2位となった。ともに17歳。26年ミラノ・コルティナダンペッツォ五輪の主役候補が、GP開幕戦で存在感を放った。

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互いを見やる初々しい姿が、今後深まるであろう戦い、そして絆を感じさせた。

フリーを終えたメダリスト会見。銀メダルの三浦が言った。「少しでも早く近づけたらいいなと見ていた。本当に素晴らしい演技だった」。たたえた相手は壇上の真ん中に座った優勝のマリニン。いまや世界が大注目する4回転半ジャンパー。三浦からの言葉が英訳されると、笑顔でうなずきながら日本の同世代を見つめた。五輪を巡る、次の4年間の戦いの始まりを告げるGP開幕戦。銅メダリストの21歳の車俊煥(韓国)も含め、次世代の挑戦者たちの顔が並んでいた。

マリニンの4回転半が号砲だった。9月の国際大会で世界でただ1人の成功者となった米国の星が再び母国で成功させた。加点は4・11点。加点では、昨季跳ばれた全ジャンプの10位相当という高評価を引き出し、「やろうと最終的に決めたのは氷に入った時」。攻めの決断を実らせた。

その姿を最終滑走の三浦は、「“ガン見”していた」。普段、準備中は見ないが、自然と目が向いた。「スケート界を絶望させる…」と軽々しく跳ぶ姿に脅威を感じながら、ただ、下は向かない。「それくらい、同世代に素晴らしい選手がいる。誇りに思う」。

迎えた演技。最初の4回転ループは転倒したが、心は静かだった。体力も計算し、抑え気味に中盤以降に突入。他3度の4回転も決めた。マリニンが沸騰させた会場での最後の演技。そこで「自分のできる最大限の演技」を出し尽くした。

初対面は4月の世界ジュニア。その後、アイスショーでも共演したが、人生がより交錯していくのは今後だろう。「本当に良い時代に生まれてきたな」。それが三浦の思いだ。

メダリストの記念撮影。マリニンが考えたポーズは、両指で何かを指しての決め顔。三浦もそれに合わせた。照準の先にあるのは同じターゲットかもしれない。その視線は4年後へ-。