通算1勝3敗となり、日本の敗戦が決まった。日本は、23年も地域グループであるアジア・オセアニア・グループ1部での戦いとなる。今対戦を最後に、16年からビリー・ジーン・キング杯日本歴代最長7年間、指揮を執った土橋登志久監督(56)が退任。来年から、元シングルス世界8位、ダブルス同1位となった杉山愛氏(47)が、初めて代表監督として指揮を執る。 杉山新監督は、今対戦2日間すべての試合を視察。「すべては初日だった」と、第1日の2試合を悔やんだ。「十分にチャンスがあった。紙一重。日本の選手が持つ力なら勝てる試合だった」と残念がった。

監督の肩書は来年からだが、実質的には12月の味の素ナショナルトレセンの合宿からスタートとなる。「できるだけ選手とコミュニケーションを持ち、多くの情報を得たい」。土橋監督が漏らした「選手の個人戦との兼ね合いが難しく、招へいが大変だった」という部分を、何とか解消したい。

杉山新監督のデビュー戦は、23年4月のアジア・オセアニア・グループ1部(開催地未定)での戦いとなる。世界の強豪がひしめき合うわけではないが、違ったタフさが要求される厳しい舞台だ。杉山新監督は「私も経験したことがあるので、決して侮れない」と、気を引き締める。

今対戦はシングル4試合、ダブルス1試合の5試合で3戦先勝方式。しかし、アジアでの対戦は、1対戦がシングルス2試合、ダブルス1試合。5~6カ国が1カ所に集まり、1週間で総当たり戦を行う。杉山新監督は「短期決戦。簡単ではない」と話す。

現在、なかなか力を発揮できない日本のエース、大坂なおみ(25)の招へいにも積極的だ。ただ、「まずは心身ともに元気でいることが1番」とし、「元気を取り戻してもらって、日程的にどうやって戦えるかを話し合いたい」とする。

杉山新監督は、現役時代、ビリー・ジーン・キング杯では単複合わせ25勝を記録。沢松和子の44勝に次ぐ日本女子歴代2番目の多さだ。日本人でただ1人、単複で世界トップ10入りした実力を指導力に変え、杉山ジャパンが日本女子の復活に挑む。