第3戦フランス杯で初のGP表彰台となる2位に輝いた山本草太(22=中京大)が3年ぶりの自己ベストとなる96・49点の高得点をマークした。「すごく点数はすごくうれしく思っていますし、ショートの今日の演技も、今日の公式練習からしてみれば良かったかなと思う」と納得した。

冒頭の4回転-3回転の2連続トーループ、続く4回転サルコー、後半のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を決め、「イエスタデイ」のしっとりした曲調に身を委ねて滑り切った。演技を終えると右手を掲げ、小刻みに振った。

大会前、素直な心境を語っていた。「やっとGPシーズンの舞台でメダルを取れたことはすごくうれしいんですけど、本当に、ここからがスタートだと思う」。フランスから帰国後の1週間ほどの期間の練習でも、量の増減はなく、結果を受けて変えたことはない。「出た課題というものを、日本に帰ってきて修正しながら練習を積めた。あまり振り付けは変わらず、さらにパッケージとして磨いていく形です」と向上を目指してきた。

この日も朝の練習は調子が良くなかった状況からしっかり修正。今季から取り組む演技直前に4回転を跳ぶ調整方法を貫き、成功につなげた。

「ショートよりはフリーの方中心に練習してきたので、前回フランスでは少し悔しい部分あったので、明日しっかりフランス杯で出た課題をしっかり克服していい演技ができればなと思っています」。初のGPファイナル(12月8~11日、イタリア・トリノ)進出がかかるフリーだが、気負わずに臨む。【阿部健吾】