全国高校大会(花園)優勝6度の東福岡が筑紫を78-5で下して、23年連続33度目の優勝を果たした。高校日本代表候補7人が出場した全国屈指の強力布陣で攻守に圧倒した。ただ、特に強化を図ってきた守備のミスから1トライを許した。福岡大会で課題が出た守備面を見直し、6大会ぶり7度目の全国制覇を目指す。

九州の絶対的な王者、東福岡が筑紫に圧勝して、全国制覇の挑戦権を得た。

前半から強靱(きょうじん)なフィジカルを武器にエンジン全開だった。同9分、右ラインアウトの流れから左へ高速展開して、CTB吉良陸人(3年)が先制トライ。同12分にはWTB馬田琳平(3年)が加点して、序盤から主導権を握った。モールを押し込んでトライを奪うなど、自在の攻撃で12トライ。高校日本代表候補フランカーの大川虎拓郎(こたろう)主将(3年)は「全国優勝したい。先代のメンバーが悔しい思いをしてきたので自分たちの代で(優勝へ)やって行こうと思う」とし、16年度大会以来、7度目Vを目指す全国へ思いをはせた。

福岡大会は圧倒的な攻撃力を誇る一方、3戦連続で完封を逃した。一瞬の隙を突かれて、1トライ献上。大川主将は「フォワードが相手を見ずにサボった」と反省。藤田雄一郎監督(50)は全国大会へ向けて「ディフェンスに課題が多いので、もう1度見直したい。やり直すレベルじゃないので、修正をいかにできるか」と、妥協しない。5大会連続4強止まり。さらなる攻守の精度向上で「壁」を乗り越える。【菊川光一】

■筑紫、意地のトライで一矢報いた

筑紫は1トライで東福岡に一矢報いた。0-61で迎えた後半11分、連続攻撃からWTB鉾木颯(3年)が執念のトライだ。19年決勝で0-61の完封負けした相手に意地を見せた。大敗のなかで体を張った奮闘に、長木裕監督は「東福岡は強かったが、最後まで力を抜かず戦ってくれた」とたたえた。