全日本選抜体重別(福岡)2連覇の古賀玄暉(23=旭化成)が銅メダルを獲得した。

準決勝で近藤隼斗(21=国士舘大)に敗戦。延長戦に入って送り足払いで技ありを奪われた。10月末の講道館杯に続いて2連敗と苦杯をなめたが、同じく日本人対決となった3位決定戦を制した。

相手は21年の世界選手権(ブダペスト)を制している永山竜樹(26=了徳寺大職)。裏投げなどを警戒しながら試合運びをし、国際舞台の中でなるべく出さないようにしてきた捨て身技も大一番では狙い、ともえ投げで技ありを奪って世界2強の一角を崩した。

「本当は決勝でやって金メダルを取らないといけなかったけど、何が何でも勝つ気持ちだった。ずっと追いかける立場として、直接対決は高校以来(2年時の東アジア選手権で有効負け)だったんですけど、勝ち切れて良かった」

24年パリ五輪(オリンピック)代表を争うライバルで、愛知・大成高の2年先輩でもある前世界王者相手の初勝利には納得した。「準決勝で負けて心が折れそうだったんですけど、永山選手に勝たないと。そう思うと沈んでいられなかった」とも奮起していた。

今大会は10月の世界選手権(タシケント)優勝で、昨夏の東京五輪金メダルの高藤直寿(29=パーク24)が欠場。パリ五輪代表争いの1番手を走る柔道家との直接対決は実現しなかったが「まずは(課題の)外国人に勝つという立ち位置に持っていきたかった。そして高藤選手に少しでも追いつけるように優勝しないといけなかった」と、悔やみつつも現在地を再確認する大会となった。

92年バルセロナ五輪男子71キロ級の金メダリスト古賀稔彦さん(享年53)の次男で、前日3日には長男の颯人(25=慶応高教)が73キロ級で準優勝した。五輪2連覇の大野将平(30=旭化成)が欠場したで補欠から繰り上がり、世界選手権2位の橋本壮市(31=パーク24)との決勝で惜敗。その姿に「自分も減量でつらい時間帯でしたが、兄が勝ち上がる姿は本当に気になっていました。普段から練習していて切磋琢磨(せっさたくま)している関係だし、本当は2人で金メダルが良かったんですけど、まだまだ強くならないといけないということ。それが感じられた試合になりました」と振り返った。

「パリ五輪で金メダルを取れるように、まだまだ足りないところや課題を克服していきたい」

そう話す夢舞台へ、現状は高藤が独走状態だが、諦めることなく成長だけは求めていく。不本意な3位止まりの悔しさを胸に、今後の出場大会で結果を出し続けるしかない。【木下淳】

【関連記事】柔道ニュース一覧>>