フィギュアスケート男子の14年ソチ、18年平昌五輪2連覇王者で、今年7月にプロ転向した羽生結弦さん(27)が、来年2月26日に東京ドーム公演「ギフト」を開催すると発表した。5日、初のアイスショー「プロローグ」が青森・フラット八戸で2都市5公演の千秋楽を迎え、そのフィナーレでサプライズ告知した。主催者によると、スケーター史上初の同所単独公演。ドームに氷を張る、しかも1人の異例ショーに挑む。

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羽生さんはプロ初のショーを完走するだけでは終わらなかった。終幕後、どよめく場内。2・26東京ドーム公演の発表だ。タイトルは「ICE STORY 2023 “GIFT”」で、自ら「羽生結弦の半生とこれからを氷上で表現する物語」を制作総指揮する。演出にはPerfumeらを手掛けるMIKIKOさんが加わり「既存のアイスショーから進化させたい」。最新テクノロジーも駆使した常識を覆す一夜になる。

主催者は「スケーター史上初」とし、関係者によると東京ドームにリンクを設営するのも初めてという。

「正直、初には緊張しています。普通のショーと違って物語主体で、その中に僕のプログラムたちが意味を持って存在する絵本のような、物語を鑑賞してもらうような公演。『ギフト』の意味は恩返しの贈り物」

五輪代表最終選考会が行われる、さいたまスーパーアリーナでも1万7000人超。東京ドームでは最大5万5000人だ。そこを1人で。超異例の挑戦は、プロ転向直後から構想を温めてきた。「うぬぼれているわけではないですが、お話をいただいて」逃げずに受けた。五輪2連覇の次の新伝説へ「東京ドームでしかできない、新たな見せ方のスケートに期待してほしい」。序章を終え、本編へ覚悟を決めた。【木下淳】