これぞ89ERSのバスケットだ! B1仙台89ERSが横浜ビー・コルセアーズに72-53で勝利。横浜を各クオーター(Q)17点以下に抑え込む堅守を発揮し、今季最少の53失点で連敗を脱出した。「ナイナーズクリスマス」と題した今節の第1戦は3233人のブースターが選手を“黄援”。支えてくれるブースターに少し早めのクリスマスプレゼントを届けた。

第3Qまで1桁点差の競った試合は、第4Qに大きく動いた。第4Q残り9分45秒、前節は出場のなかった片岡大晴(36)が、この日初めてコートイン。「どっちに転ぶか分からない試合展開で、見ていて『あと1歩きっかけが欲しい』と思っていた」。第4Q残り8分6秒で47-46と1点差に詰め寄られ、横浜BCに流れが傾きかけていた残り7分43秒、片岡がオフェンスリバウンドを奪ってそのままシュート。自身がそのきっかけとなり、仙台は勢いを取り戻した。

片岡はその後も躍動し、この9分45秒だけで2本の3点シュートを含む11得点をマーク。この日のMVPに輝いた。ここ数試合はなかなかプレータイムがもらえなかったがその中でも、コートに立ったときに活躍するために積み上げ続けてきた準備が奏功。片岡は「試合に向けての準備を変わらずやり続けてこれた。こういう日が来て、選手としてうれしい」と振り返った。藤田弘輝ヘッドコーチ(HC=36)も「彼の積み上げてきたもの以外の何物でもない。素晴らしいパフォーマンスだった」と片岡の活躍をたたえた。

10日の大阪戦から始まったホーム5連戦はこの日が初勝利。片岡は「なんとしても連敗を止めたかった。大きい1勝」と勝利をかみしめた。今日の第2戦も勝利し、ブースターに、今季はまだつかめていない「ホーム連勝」という最高のプレゼントを届けて5連戦を締めくくる。【濱本神威】