16年世界ジュニア選手権女王の本田真凜(21=JAL)が8年連続で国内トップの舞台に立ち、得点は51・81をマークした。

SPでは「アサシンズ・タンゴ」を舞った。黒の衣装と深紅の髪飾り姿で、艶やかに。冒頭の3回転サルコー-2回転トーループは成功したが、続く3回転フリップは転倒。最後のダブルアクセル(2回転半ジャンプ)は降りた。

演技後は「会場に入ってからフワフワしていた。悔しいけれど、ステップで久々に(最高評価の)レベル4を、高いGOE(出来栄え点)をもらえましたし、ジャンプも精いっぱい跳べたので」と振り返り「8年連続かな、全日本。4年前は同じ会場で悔しい思いをしたり、でも自分で今年もつかんだ舞台ですし(フリーへ)欲を持ちすぎないようにしたい。これまでも1つ1つ小さな目標をクリアしてきたので」と語った。

前日の公式練習では3回転フリップで転倒したり、アクセルがシングル(1回転半)になるなどミスが相次ぎ、佐藤信夫コーチと話し合う場面も見られたが、懸命に切り替えた。

自信をなくしていた時期もあったというが、約1年前に見た動画に救われた。「大きく言えば、良い方に考えれば楽しくなれるし、良くない方に考えれば悪くなる、というもの。プラス思考になれて、友達から相談されたら共有しているほどオススメです」と笑顔を見せ、この日も緊張しながらも楽しむことを考えていた。

11月の東日本選手権ではキレイに決めていた3回転フリップ。緊張なども影響したが、取り戻しつつあったジャンプのミスは悔やまれたが「思い切りやろうと決めていたので。スピン、ステップを丁寧にやろうと決めていたので」と気落ちせずに演じ切った。【木下淳】