2月の北京五輪(オリンピック)代表で、SP6位の河辺愛菜(18=愛知・中京大中京高)が、125・93点にとどまった。合計190・44点で9位となり、演技後は涙ながらに悔しさをにじませた。

決意に満ちた表情でリンクイン。しかし、勢いよく跳んだ1本目のトリプルアクセル(3回転半)で転倒した。その後は動じずにジャンプを降りたが、3回転フリップでも転倒があった。

最後まで鋭い表情を変えることなく演技し続けたが、フィニッシュ後は両手で顔を覆った。得点発表の瞬間は、顔色を変えず、じっと前を見続けていた。

しかし、取材エリアでは涙で声をつまらせた。

「絶対に跳べないというわけではなかったので、挑戦したいという気持ちの方が大きくて。挑戦しなくて失敗した時に、絶対に後悔するという思いがあったので。(直前の)6分間練習でも決めることは出来なかったんですけど、やろうと思って」

思い切って冒頭で3回転半に挑んだが、成功とはならなかった。

河辺は昨年の全日本選手権で初の3位表彰台入り。今も「自分のスケート人生がすごく変わった試合」と位置づける。

22日のSP後も「絶対に巻き返してやるぞ! という強い気持ちがある」と誓ったように、今大会へは並々ならぬ覚悟で挑んでいた。

あふれた感情を、これからの糧にする。

「練習へのモチベーションが大きいですし、ここで出来なかったことは次の試合へ向けて練習していかないといけない。切り替えて、次の年は後悔なく終われるようにしたい」

河辺は自分に言い聞かせるように、ひときわ力を込めた。