北京オリンピック(五輪)個人銀、団体銅メダリストで、左足首の疲労骨折寸前から約9カ月ぶりに実戦復帰した鍵山優真(19=オリエンタルバイオ/中京大)はフリー156・44点の合計237・83点で8位だった。

冒頭から2本続けた4回転サルコー。1本目で転倒すると、2本目も着氷が乱れて連続技にはできなかった。その後の5回のジャンプ機会はまとめきったが、演技後は悔しそうに顔を覆った。

「本来の出来から言えば30%くらいかな」

ショートプログラム(SP)は6位。グランプリ(GP)シリーズなど今季ここまで全休し、自身の決断で全日本に出た。ジャンプ2つにミスが出て悔しさもあった。「まずは無事に滑り切れたことが自分の中で1つの課題というか、そこをクリアしたなという感じがあります」と表情は明るかったが、病み上がりで本来の豊富な練習量を確保することはできなかった。

「初戦の難しさを知りました。自分で言って出て、満足できない演技をして申し訳ない。悔しい。体力の部分で最初の4回転2連続も難しかったし、練習から思い切ってできなかった」

今後については「次の試合は、分からないです。ただ、この全日本に出たことは悔いがないですし、むしろ前向きでした。やるべきことが明確になったので、しっかり休んで、けがを治したい。完全に治して来年は初戦から万全の状態で出たい」と語った。

2022年は北京五輪のメダル2つ獲得や世界選手権の2年連続銀メダル、負傷による人生初の長期離脱に全日本と、さまざまな経験をした。

「五輪は本当に万全の状態で試合に出られたし、けがもあったし、大変な1年でした。今はとにかく、しっかり治して(振付師の)ローリー(・ニコル=フリー)やシェイリーン(・ボーン=SP)から『パーフェクト』と言ってもらえるくらいまで、もっともっとプログラムを磨きたい」

【木下淳】

宇野昌磨24番、島田23番、鍵山19番目に滑走/全日本男子フリー速報中