16大会連続17度目の出場となったノーシードの尾道(広島)が、花園5度優勝を誇る8大会連続41度目の出場のBシード常翔学園(大阪第1)から金星を奪った。1点差の大接戦を制し、3回戦に進んだ。

24-25で迎えた後半途中、尾道は高校日本代表候補のプロップ檜山蒼介(3年)がサイドアタックから逆転のトライを挙げ、その直後のゴールも決まって31-25と突き放した。その後、1点差に迫られながら逃げ切った。

殊勲の檜山は「抽選会で2回戦が常翔学園と決まってから、この日のためにしんどい時間も仲間と過ごしてきた。スクラムが強いことが僕たちの持ち味。その力を出せた。最初にスクラムを組んだ時からこれはいけると思いました。この日のためにモールもしっかり練習したので、本当にすごくうれしいです」と胸を張った。

SO青田宗久主将(3年)は「ポンポンと点が取られてやばいなと思ったんですけど、点差が縮まってからは尾道らしいプレー、ディフェンスができたと思います」と熱戦を振り返った。田中春助監督(34)は「たまたま粘り勝ちをして、奇跡的な勝利だと思います。うれしいです。よく頑張った」と選手をねぎらった。

尾道は1回戦で59-7で朝明(あさけ、三重)に快勝。ノーシードながら大会前、優勝候補の報徳学園(兵庫)に練習試合で勝つなど評価されていた。14年度大会のベスト4が過去最高。

常翔学園は、8月に同校史上初の女性指揮官になった平池三記監督(53)の花園の初陣だった。試合は20-12とリードして折り返し、接戦ながら主導権を握ったかに思われたが、後半に尾道の反撃を食い止められなかった。花園通算101勝目は次回大会以降に持ち越された。